BACK NEXT                    


  2013.05.13

  前頁の続き・・・
  1950年代のTOYシンギングバードを
  分解してみました。
  やはり音抜き穴は、スピーカーでした
  ゼンマイかと思っていたKEYは、
  カム付きタイマーでした

  なるほど・・・
  それは、電池でトランジスターの発信
  回路(小鳥の囀りのピーを作る)働か
  せ、タイマーのカムで発信回路のON
  −OFFを行うと同時に、回路に組ま
  れたソレノイド(電磁石)を働かせて
  小鳥を上下させて動かす構造でした

  本格的なシンギングバードとは程遠い
  ものでした・・・

  






  2013.05.20

  ドイツ、フランス、スイス、日本製以外
  のシンギングバード

  作りが雑で壊れやすいまた、稼動は
  連続だけで「間欠」がない物が多い

  かご内の飾りが大きくカラフルな花を
  使っているまた、部品は古い当時の
  部品と同じに新しく作り使用している

     ドイツ、フランス、スイス、日本製の
  かごのTOP針金は円盤に溶接してあり
  カバーがしてあるので壊れにくい

  中国時計職人が作っていると思われる
  シンギングバード

  もちろんメーカー名や製造国名の刻印は
  ない




  2013.05.20

  ”MADE IN JAPAN”のシンギングバード

  次回入荷のシンギングバードは、MADE IN-
  JAPANと刻印のある日本製シンギングバード
  で、初めて手がける機種です

  見た目で違いが分かるのは、かご(ケージ)の
  上部分の縦から中心に向かう針金が、大抵の
  機種では、緩やかに曲がっているのに対して
  角ばって曲げてあるのが分かります

  また、小鳥の顔の表情がリュージュやグリス
  バーム、エシュレ等と違います
  良く見ると、フランスBONTEMSのシンギング
  バードの顔と似ていることが分かりました

  日本製は分かりましたが、何と言うメーカー
  が作ったのでしょうか?分かりません
  ボトム周り柄は、他社と同じで、かごだけ
  オリジナルなのかも?

  こういった機械物は、良く本来メーカから
  パーツの提供を受け組み立てて自社ブランド
  名で販売するOEMみたいな製品があるので、
  もしかして、BONTEMSのOEM?
  詳しいメカについては、到着後分解します
  ので素性?が分かると思います   


  


 
   2013.07.01

  今月のレストアシンギングバードは、
  ドイツシメッケンベッヒャー製目覚ま
  し付きシンギングバードと、日本製シ
  ンギングバードで、時計付きと写真左
  のシンギングバードは、今までに数台
  レストアしています

  上の時計付きは、時間をセットしてお
  くと小鳥が囀る本格的なシンギングバ
  ードです

  写真左のシンギングバードは、TOYと
  本格的なものとの中間ぐらいのシン
  ギングバードです

  因みに、左の物は「TOKYO PIGEON」
  製で、オルゴールのSANKYOの系列会
  社が1950年前後に輸出?販売したも
  のです   




  ◆幻の日本製?シンギングバード

  写真は、心臓部のメカですが、リュージュ似?
  メカのベースにリュージュと同じプレートが使われて
  いる
  ホイッスルが、一回り大きいようです

  小鳥とギヤー類は全て金属製で樹脂は一切使われ
  ていないで、大変良くできているが、メカ構造は、
  KGやBONTEMS似です
     
  




  


  ◆珍しい「取っ手」◆

  写真の白丸の部分の通称トップリング
  と言っていますが、普通取っ手は丸い
  リングが付いて自在に動きますが、
  以前写真左のかごのシンギングバード
  を復元しましたが、珍しい取っ手だな
  と思っていましたが、今回、丸型の
  ケージタイプにも同じ取っ手が使われ
  ていました

  この手の取っ手は、ケージに溶接され
  ていて動かないようにしてあります

  取っ手自身が、デザインされていて中々
  素敵です




   2013.08.06

  シンギングバード飾り台

  シンギングバードの吊り飾りスタンドは、
  以前いくつか、バナナスタンドを使って
  作ったが、今回は、吊りスタンドではなく
  「置き飾りスタンド」を作ってみました

  厚板を使って、少しアンティーク風に
  塗装剥げを作り、仕上げました

  台部分に、ベッチンを張りその上に
  鳥かごをおきます
  結構、どっしりとした出来上がりに
  なりました


  


  来月9月の復元シンギングバード

  来月は、写真上の左と中央の「エシュ
  レ2羽」で、左は、人気のルビー台座
  とヴィクトリアン絵台座の2台

  写真右は、ターコイズストーン台座の
  「カール・グリスバーム」1羽です

  写真下左は、目覚ましシンギングバー
  ドの「Emil Schmeckenbecher」で、
  右は、シンギングバードではありま
  せんが、1915〜30年代のトーレンス
  ディスクオルゴールです   




  ■ヴィンテージ&アンティーク
        シンギングバードの値段■


  「シンギングバード」を知っていますか?
  との答えに、大半が「知らない!」か「それ何
  ですか?」の答えが多い。

  そんな中、「オルゴール(MUSIC BOX)は、
  知っていますか?」と聞くと大半の人が知って
  いると答えます。

  日本では、まだまだ「シンギングバード」の
  知名度は低いのです。
  中には、「知っている」と答えた方で、昔から
  あるシンギングバードではなく、IC」を使った
  電池式の籠に入った可愛い「籠鳥」のことだっ
  たのです。

  昔からの、ゼンマイの力で、フイゴで風を起こ
  し笛を使って小鳥の囀りのように鳴かせるシン
  ギングバードを見せると驚きとともに、はじめ
  て見るといいます。

  そんな、知名度の低さも手伝ってか、日本では、
  アメリカなどと比べると、シンギングバードの
  値段が安くても、不景気の影響なのか中々購
  入する人がいません。

  人にもよりますが、複雑な機械で構成されて
  いるシンギングバードの歴史的価値を含めそ
  の「価値観」はいろいろです。

  アメリカのオークションでは、1950年前後の
  ヴィンテージシンギングバードで完動品は物
  にもよりますが、10万円前後で取引されて
  います。


  右ページへ続く→

  


     しかし、日本では、オークションなどで10
  万円前後のものが4万円前後でも「高い!」
  と感じられているようです。

  シンギングバードは、スイスの「リュージュ」
  だけが、シンギングバードメーカーではありま
  せん。

  リュージュ社より歴史や、技術の優れたメーカ
  ーがドイツや、フランス、日本にも存在してい
  たのです。

  中には、籠がすぐ壊れる、雑な作りの中国製シ
  ンギングバードもあります。

  中国製は、新しく現在作っていても、ネジや飾
  りなどを昔のシンギングバードのように見せる
  ため、わざわざマイナスネジを作り使っていた
  り、複雑になる機構の「間欠囀り」を省き、な
  かったりします。



  スイスの、リュージュ社のシンギングバードは、
  高くて手が出ないとあきらめておられるのでし
  たら、是非、比較的、手に入りやすい3〜5万
  円のヴィンテージゼンマイ式のドイツやフラン
  スの優れた技術で、作られたシンギングバード
  をお勧めします。





  

 2013.09.09
  
■故障事例■

  一定感覚で、”カチッ!カチッ!”と
  中から音がする場合、その殆どが、
  スピードコントロールをする、ウォー
  ムギヤの動力側ギヤが樹脂製のため
  シャフトに圧入してあります

  この圧入が、ギヤが経年の劣化により、
  弱くなり、破裂状態で、ギヤに亀裂が
  入り、そのギヤが、噛み合いのところに
  亀裂場所が来ると、カチッ!カチッ!と
  音がします

  この亀裂ギヤは、作る以外修理できま
  せん
  接着剤で補修しても、力が加わるとこ
  ろですので、また亀裂が入り、そのと
  ころにくると、止まってしまうとともに、
  スタートもしなくなります
  私の場合は、作って取り替えています

  




   ■間欠(Pause or Intermission)囀り機構

  シンギングバードには、間欠囀りと連続囀りが
  あります
  間欠囀りは、どのような囀り方をするのでしょう?

  ”間欠”とは、言葉の意味通り、間をおいて囀
  ったり、止まったりして囀ります

  その機械構造はどのようになっているのか?
  通常の囀り時は、フイゴが動いて空気をホイ
  ッスルに送り鳴かせています

  しかし、囀りは、一パターンの中で、音程を
  変えたり、長短の囀りをしますが、フイゴは
  一定の速さで空気を送り続けます

  その時、囀りの切れ目で、空気が余り逃げる
  ところがなくなりフイゴが重くなって止まっ
  てしまいます

  このような時、余った空気を溜めるための
  ”ダンパー”が付いています

  このダンパーが膨らんだことを利用して、間
  欠囀りをさせています

  ダンパーの所にアーム又は、バーが取り付け
  られており、スタートレバーを間欠の位置に
  すると、アーム又は、バーがカム(香箱ケー
  ス)の凹みBに入りフイゴを停止させます

  停止したフイゴのダンパー内の空気は、少し
  づつ減ってゆきカムに入り停止させていたバー
  @又はAが動きカム停止穴から外れ、再びフイ
  ゴが動き囀り始めます

  この運動が、繰りかえし間欠囀りになります

  



BACKNEXT


Copyright(C) 2012.04 singingbird repair&restre Allright reserved