■1950年代西ドイツ「ESCHLE」社製の小鳥
 が2羽囀るタイプで、ケージのボトム廻りに装飾
 が施されているシンギングバードです

 手元に届いた時の状態は、比較的外観は綺麗
 なものでした
 しかし、ゼンマイを巻いても囀りません

 まず、外観のチェックをします
 装飾のジュエリーが周りに三箇所三個づつ付い
 ていますが、一つ外れてありません(写真A)

 ケージとボトムは、埃はあるものの錆などはあり
 ませんでした

 小鳥と飾りの状態は、小鳥は、二羽とも年数経
 過による羽根接着糊跡、剥がれが一部見受け
 られます(写真@)
 飾り花と葉は、破損はなく色あせがあります

   ■ボトム飾りの拡大写真です
 矢印が、取れて無くなったジュエリーで、左下
 囲み写真が、修復したジュエリーです
 ジュエリーの修復は、樹脂を削って、同色に
 着色、艶出しにニス仕上げして取り付けました
   ■内部のメカ状態のチェックを行います
 メカ部分を見るには、このタイプは、底の三本の
 ネジ脚を外すと、ボトムとケージが分かれます

 この時、ケージを外す際に小鳥にぶつけたりし
 ないように十分注意します〈ゼンマイキーも外す)

 メカが見えたら、次に小鳥を外します
 小鳥を外すには、小鳥の付け根のところに、小
 さいマイナス全ネジ(←)があるので、緩めて上に
 引くと外れます

 小鳥を外すと、支柱の中に細い「ロッド」があるの
 で、抜いてなくさないようにする
   ■次に、ベルベットの貼ってあるベースを
 小さい三本のネジ(←)を外して、取り外します
 この時、ベースのベルベットが剥がれていない
 か確認します

 また、飾りの枝葉が傷んでないか、息を吹きか
 けてみて、葉がぶらぶら揺れていないか確認
 する

 揺れている時は、取れそうなので、ボンドで
 葉の付け根をとめます
   ■現れた「メカ部分」です

 メカを底板から外す前に、メカの上部分をチェック
 します
 金属部品の磨耗、変形や外れ、傷み具合等と心
 臓部の「フイゴ」の状態です

 今回の物は、メカ部に色変わりしたオイル汚れ
 とフイゴの稼動部のベローズの紙が長期稼動に
 より薄くなり破れて(↓)いました(空気漏れの
 原因)

 写真左のベージュ色が「フイゴ」右隣り白い筒
 が「ホイッスラー(笛)」右固まりが歯車、カム
 ゼンマイ(香箱)、スピードコントローラ等です 


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